
管理職になると、部下の管理・育成業務が中心になります。限られた人員で組織の業務を回し、部下の人生に大きな影響をえる仕事の責任の重さがあります。
このため、約6割以上の方が管理職になりたくないという調査結果もあります。
本記事では、筆者の同僚数名が昇格を断った際の実例を紹介します。
管理職になりたくない理由
管理職になると以下のような管理業務が発生します。
【管理業務】
- 部下に仕事を任せることを覚える
- 部下の自己実現、成長を助ける
- 部下が辞めることを覚悟しておく
- 管理職になっても部下を守り切れるわけではない
管理業務では全く別のスキルが求められます。
そのため、現在行っている実務は好きで得意だとしても管理業務が全くできず鬱病になる人も珍しくありません。
担当者としての業務と管理職としての管理業務ではそれほど求められるスキルとマインドが異なるのです。
管理職にならないためには?
年功序列で昇進・昇給する会社では貴方が優秀でなくても40代になると自動的に管理職に昇格するケースがあります。
昇進試験を受けなければ昇進にはなりませんが、昇進したくないのであれば打診された際に初めて断るのではなく、普段から予め上司に昇進する意思がない旨を伝えておくと会社とのトラブル防止になります。
基本的に上司は管理職になるモチベーションが無い人には重要な業務を任せないので、貴方に昇進する気が無いのであれば、業務負荷軽減のためにもその意思を伝えておいた方が良いです。
昇進を断ったらクビになる?
少なくとも、左遷扱いとなり人手不足の他部署に異動となることは覚悟すべきです。私の周囲で昇進を断った人は皆この末路を辿りました。
周囲の士気が下がる懸念からも自部署へは残れないと考えておきましょう。
違う部署に異動させられると、少なからず新しい業務を覚える必要があるので、その点は苦労するかもしれません。
私の同僚で昇進を断って他部門に異動させられた人は結局新しい部署での仕事に慣れず、自身の経験・スキルがそのまま使える会社に転職してしまう人が大半でした。
昇進を断ると後悔する?
昇進を断って後悔する人よりも、昇進を受諾してしまい後悔している人の声の方が圧倒的多数です。
昇進を断る理由の例文
大手メーカー:Aさん (38歳・男性)
実務と管理職業務は全く別物であり管理業務には関心が無い。現状の仕事と給与に満足している。部下の人生を左右する重圧に耐えられそうにない。このまま今の部署で実務担当を続けさせて欲しい。
広告会社:Bさん (42歳・女性)
子育・介護の関係で、代理を立てることが困難である管理職業務は務められない。業務を計画的に行うことができ、家族の緊急時に代理を立てることができる現在の実務担当者としての業務を続けさせて欲しい。
日本政府主導で、”働き方改革”が推奨され、残業の抑制、男性の産休・育休取得、女性の管理職増加に取り組んでいる企業は非常に多くなってきました。しかしながら、ワークライフバランスを考え、仕事量と残量時間が多い管理職に就きたくないという声が多いです。
まだまだ日本社会の働き方ではワークライフバランスを適切に保つことは難しいのが実態です。
こなせないほど仕事量が多すぎる | この会社がおかしい?自身の問題? | 悩める会社員の集い (terao-business-blog.com)
管理職になりたくない女性
- 採用者に占める女性の割合(労働者に占める女性の割合でも代替可)
- 男女の平均継続勤務年数の差異
- 月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況
- 管理職に占める女性の割合
つまり、女性の管理職を増やす動きが日本全国であるということです。
しかし以下の理由により筆者の周囲では管理職になりたくない女性が続出しています。
部下の仕事に夜遅くまで付き合えない
トラブルやイベント対応で部下が深夜まで残業をする必要があると際にサポートが難しいという声が多いです。
管理職になる40代の女性はまだ小学校の子供がいるケースが多く、深夜まで残業することが出来ないのが実態です。
結果として部下が不信感を抱くことになり関係が悪化し精神的に参ってしまう女性管理者が少なくありません。
管理職を担う能力が無い
女性活躍推進法により企業側は女性管理職を増やすことに躍起になっています。
その結果、本来管理職を担う能力が無いにも関わらず昇進をする女性が増えています。
部下と周囲の関連部門から信頼を得ることが出来ず、本人にとっても周囲の社員にとっても不幸な結果を招くケースがあります。