部下が辞めると管理職である貴方が責任を問われます。
せっかく実務で結果を出して苦労を耐え忍んできたのに、マネジメント能力が無いと評価は地に落ちてしまいます。
貴方の上司は管理能力の無さを全て貴方に押し付けることでしょう。
こんな事態を防ぐために、本記事では社員が辞める理由と辞めそうな社員の特徴を解説します。
管理責任を問われる前に察知して適切に対処しましょう。
優秀な部下が辞める理由
社員が転職・退職を考えるきっかけは大きく分けて3つあります。
- 心身の疲労
- 上司に不満がある
- 自己実現が果たせない
それぞれ詳しく解説していきます。
心身の疲弊
長時間労働は心身の疲弊の証拠です。
どんな優秀でタフな人間であっても45時間を超える長時間労働では疲弊し、会社に対して不満を抱きます。
しかし、多くの管理職は問題だと感じていません。それは何故であるか分かりますか?
それは、貴方自身が長時間労働をしてきたことにより、長時間労働を正当化してしまっているからです。
月の残業時間が45時間を単月でも超えれば社員は長時間労働と感じています。法的な過労死ラインを守れば良いという考えは誤りです。また、貴方が若い時代に何時間働いていたかは一切関係ありません。
貴方が若かった時代は転職が珍しく、終身雇用が当たり前の時代でした。
しかし、今は違います。貴方の部下は貴方に不満があれば、簡単に辞めてしまいます。
「辞めるやつが弱いんだ」と考えるのはあなたの勝手です。
しかし、部下が辞めれば貴方の評価が下がることは確実です。
上司に不満がある
部下の仕事に対して、 指摘ばかりしていませんか?
自分の手を動かしてきちんとお手本を示していますか?
本来管理職である貴方が交渉すべき他部門の管理職に対して部下に戦わせていませんか?
部下にとっては、貴方の評価=会社の評価です。
貴方は自分の上司の顔色ばかり伺って過ごしているかもしれませんが、部下は貴方のことを見て仕事をしています。
貴方が管理職として部下のことを支援できていなければ、部下は落胆して会社を辞めてしまいます。
結果、貴方の管理不足とみなされて管理職としての貴方の評価は大きく下がります。
自己実現が果たせない
私たちは、自分の能力や才能を最大限に活かし、成果を出すことで、仕事への満足感や達成感を得ることができます。
しかし、上司である貴方がそのような環境を部下に与えていることが前提になります。
辞めそうな20-30代社員の特徴として、以下の内容に対して不満を感じて自己実現を果たせていない人が多いです。
No | 自己実現が果たせない理由 | 管理職の盲点 |
1 | ただの調整役の仕事 | 社員が本来の仕事に集中できる環境を用意していますでしょうか?部門間の調整業務に忙殺されて自己実現が果たせないと辞めてしまいます。 |
2 | 今後のキャリアが見えない | 社員の希望をヒアリングしていますでしょうか?今後のキャリアパスが見えないと転職という形で実現を試みる社員が出てきてしまいます。 |
3 | 成果の評価が無い | 苦労して仕事をしている部下の成果に対してフィードバックを与えないと、モチベーションが著しく下がります。 |
辞めそうな部下の特徴
部下が辞めそうなときに自発的に相談して貰えるものだと思っていませんか?
それは大きな勘違いです。上司である貴方が能動的に部下の様子を確認することが重要です。
辞めそうな部下の特徴は以下です。
体の不調
長時間労働で疲弊している社員の特徴です。
- ため息が多い
- 皮膚や頭髪が荒れている
- 急な体重増減
会社の体制問題を口にする
自己実現が果たせないでモチベーションが著しく低下している社員の特徴です。
経営層・管理職が決めるべき判断をしないことによる問題です。
- リソースを超過した業務受注
- 増員を図らず社員の長時間労働に頼る
- 業務の指針が曖昧で短期間で二転三転する
在宅・朝方勤務が増える
以下の理由により勤務場所・時間に変化が出ます。定時後の付き合いも悪くなるはずです。
- 職務経歴書の作成:平日退勤後・土日
- 転職エージェントとの面談は平日退勤後
- 企業との面接:原則平日の日中
積極性が乏しくなる
- 周囲の評価を得る必要が無いので受け身になる
- 事業の将来に興味が無いので提言が減る
- 間もなく別れを告げるので雑談の口数が減る
辞めさせる管理職の特徴
部下の様子を注意深く観察するだけでは不十分です。
常に貴方自身が管理職として適切であるかを自ら振り返ることが重要です。
もし貴方が以下の考えを持っている場合は要注意です。
貴方が原因で部下が辞めてしまう危険があります。
- 自分の若い時代を基準に判断してしまう
- 上司の助けを得ずに乗り越えた
- 土日も仕事をしていた
- 怒られて成長した
- 転職なんて考えたことが無い
辞めさせないための対策
部下を辞めさせないためには以下のいずれかの対策をする必要があります。
- 部下の仕事を減らす
- 部下の異動希望を叶える
- 部下から相談を受けたら判断をする
- 自身で手を動かし部下を助ける
部下への接し方
部下が話しかけ易くする
自身の仕事に忙殺されていると部下・後輩は話しかけ辛くなります。
忙しさやイライラは表情やしぐさに出してはいけません。
例えば毎日30分決まった時間に相談を受け付ける時間を設定する、席を横隣りにして会話しやすくする等が効果的です。
また、話しかけられたら相手の方に体を向け、傾聴姿勢を示すことも重要です。
PC画面を見てタイピングしながら部下・後輩の話を聞く人がたまにいますが、絶対NGです。
部下に相談をされたら判断
部下・後輩が仕事の進め方に悩み相談をしてきた場合は、必ず判断をして道を示しましょう。
YesかNoか分からない曖昧なアドバイスは厳禁です。
自身の権限の範疇で判断が難しい相談内容である場合は、上司に相談しましょう。
ここで注意が必要なのは、必ず部下・後輩自身がどのように考えているのかを説明させることです。
ただ単に答えを伝えるだけでは本人の成長に繋がらないので、部下・後輩の考えに対してフィードバックを添えた上で判断を伝えるべきです。
部下にブレない方針を示す
部下・後輩に仕事の支持を出すときは必ず方針を示し、その方針を崩さないようにしましょう。
部下・後輩が指示に対するアウトプットを示した際に、最初に出した方針と異なるフィードバックをすると、部下・後輩は混乱します。
周囲の状況変化によって方針を変える場合は、きちんとその旨を説明することが重要です。
自分の体験を押し付けない
自分が厳しく指導されて育ったからといって、その経験を部下や後輩にそのまま押し付けていないでしょうか?
良かれと思って行っている指導も、受け手にとっては地獄日々と捉えられることもあります。
相手の立場になって自問をしてみることも重要です。
組織で働く上では人を育て・使うことが必ず伴います。
感情で行動しやみくもに接するのではなく、一人一人の特徴を踏まえて丁寧に接し良好な関係を築きながら働きたいですね。
やってはいけない3つの人事異動とその理由【社員の人生を左右!】 | TERAO|メーカー営業転職 (terao-business-blog.com)
中間管理職のうつ病
自分の管理能力不足により部下に不満が貯まり続々と辞めてしまいうつ病になる管理職が後を絶ちません。
” 昇進うつ ” という言葉をご存じでしょうか?
昇進して部下を初めてもった管理職がマネジメント出来ずにうつ病になってしまう事案が増えています。
うつ病は一度発症すると再発性が高く数十年にわたり引きずってしまう病気です。
早期に周囲の人間に相談をしてサポートを得ることをお勧めします。