FA業界への未経験転職

FA業界(Factory Automation) への未経験営業転職【将来有望】

FA業界への未経験転職

 

  1. FA(Factory Automation)業界の概要
  2. FA業界への転職メリット
  3. FA業界への転職方法

FA業界が世界のモノづくりを支えていることをご存じでしょうか?

どんなにデジタル化が進んでもハードウェアは無くなることはありません。

しかし、ハードウェアを製造するための作業者の数は減っていきます。

それは、工場における製造工程が自動化されていくからです。

このことから、FA業界が今度も成長を続ける業界であることをが容易にイメージできると思います。

 

FA業界とは

FAとはFactory automationの略称です。
メーカーの生産工場における設備・部品・ソフトウェアなどの生産ラインを自動化(省人化)するための製品・サービスを指します。
世界中のあらゆるメーカーの工場でFA製品が使われています。
つまり、自動車・スマホ・パソコン・飛行機・食品などの私たちが日常的に使用しているものは全てFAの製品によって作られています。
このことから、FA産業は製造業のインフラ産業と言われています。
一言でFA産業と言っても、実は多くの産業で構成されています。
  1. 産業用ロボット
  2. 工作機械
  3. 搬送装置
  4. 金型プレス機械
  5. 半導体製造装置
  6. 液晶製造装置
  7. 包装機械
  8. プログラマブルコントローラー
  9. 産業用モーター
  10. センサー
  11. 生産管理システム
  12. アクチュエーター
  13. 産業用PC

FA製品がもたらすメリット

工場を自動化するFA製品がもたらすメリットには何があるのかイメージできますでしょうか?
FA製品には具体的には大きく以下の3つのメリットがあります。

人件費の削減

従来人で行っていた製造工程をロボットなどのFA製品に置き換えることで人件費の削減ができます。

しかし、FA製品の導入には多額のコストがかかるので、省人化することで採算性が取れることが条件です。

FA製品の営業は顧客に自社製品を売り込むときには、この事業性のメリットを定量化して提案をします。

 

中国・東南アジアなどの途上国では過去人件費が低いことから多くの外資メーカーが工場を立てていました。

しかし、近年では多くの国でインフレによる人件費の高騰が起きていることから省人化のトレンドが加速していく見込みです。

このトレンドに応じてFA製品の需要は伸びていくことが予想されるため、FA業界は依然として人気の就職先になっています。

生産効率の向上

FA機器は人間の作業者と違って疲れることも無ければ寝ることもありません。

受注が好調の時には24時間稼働することができるメリットがあります。

また、FA機器メーカーの製品の技術が年々向上していることに伴い、より小型化・高性能化した生産ラインの構築が実現できます。

そのため、各種メーカーは競合他社に対して、より早く柔軟に多くの製品を生産し顧客に届けるために定期的に新しいFA機器を用いて生産ラインを改良します。

このため、FA機器メーカーの営業は継続して顧客に新製品を提案し受注を獲得することが出来るわけです。

品質管理の精度

工場の生産ラインが自動化されることで、従来人間が行っていた作業ミスのリスクを大幅に軽減することが可能です。
また、IoTの技術とセンサー技術を用いて生産ラインを24時間365日監視することで生産ラインのトラブルをリアルタイムに監視することができます。
更には映像を記録することで問題が起きた個所の課題検証をすることにも貢献しています。
以上がFA機器を採用することによるメーカーへのメリットの紹介です。
転職・就職の書類選考・面接の際にこれらの内容を理解していることを表現すると、「この人は良く勉強してきているな」と思って貰えるでしょう。

FA業界が人気の理由

 

  1. 高いグローバル競争力
  2. 多業界の社員が集結

高いグローバル競争力

携帯・テレビ、冷蔵庫などの日本の家電は中国・韓国メーカーに商品力で追いつかれ、かつての競争力を失っています。

また、自動車産業においてもテスラ・BYDなどの新興BEVメーカーの台頭により苦戦している状況です。

一方で、多くのFA関連企業は依然としてグローバル市場でトップクラスのシェアと競争力を維持しています。

FA製品は家電・自動車などの日用品に比べ高い品質と精度が求められるため、新興国の技術に対して日系企業は依然優位性を確保しています。

勿論数年後にキャッチアップされる懸念は大いにありますが、いずれにせよ今後もグローバルで高い競争力を維持できると私は考えています。

モノづくりの世界で長期的かつグローバルに活躍したい方にはおススメです。

多業界の社員が集結

FA業界は異業種からの転職者が沢山活躍しています。
営業・企画・購買・経理の職種であればFA業界の知識が無くても半年~1年ぐらいで十分戦力になれます。
業界の知識がある方がもちろんベターですが、業界知識よりも働き方が前職と同じであるか否かがより重視されます。
例えば、法人営業、ルート営業、海外営業、社内外のエンジニアと仕事をしてきた経験などです。

一例ですが私の同僚では、IT・金融・コンサル・商社などの業界から転職してきた方がいます。

更に、FA業界の顧客は多方面におよび、技術革新に伴いニーズが短期間に変化していくので色んな業界の情報が必要です。

そのため、リチウムイオン電池、スマートフォン、電気自動車、半導体部品、IoT業界、などのFA業界に関わる様々な経験をした人材が集まります。

私も各種業界から転職してきた方と一緒にすることで多くの業界知識を蓄えることができたと感じています。

FA設備メーカー

異業種の方はあまり聞き慣れないかもしれませんが、日本のFA設備メーカーは世界シェアも高く業績が良い企業が多いです。

半導体製造装置

スマートフォン、電気自動車など私たちの身近な製品には全て半導体が使われています。

ここ数年では半導体の需要が供給を上回り、欠品が続いています。

新車で自動車を買おうとすると、「納品が1年後」と言われるのは半導体が不足しているためです。

一例ですが、半導体製造装置メーカーには以下のような企業があります。

  1. アドバンテス
  2. 荏原製作所
  3. 東京エレクトロン
  4. レーザーテック
  5. ディスコ
  6. 東京精密
  7. SCREENホールディングス

液晶パネル製造装置

  1. アルバック
  2. タツモ
  3. ブイ・テクノロジー

自動搬送装置

  1. Industry Alpha
  2. ダイフク
  3. 村田機械

FA部品・ソフトウェアメーカー

産業用ロボット、生産設備用のコントローラ・モーターを製造・販売する企業です。こちらも異業種の方にはあまり知られていませんが、日本の企業は世界シェアが高いです。

  1. 安川電機
  2. オムロン
  3. キーエンス
  4. 三菱電機
  5. パナソニック

FA営業の働き方

FA業界の企業はいずれもB to Bに該当します。つまり、企業(メーカー)が顧客になります。
B to B とB to Cの違いとメーカーの仕事の中身は以下の記事で詳述しています。

FA業界のやりがい

FA業界は数年おきに時代が進化する激動の時代を迎えている業界です。

スマートフォン、電気自動車、テレビ、スマートウォッチ、リチウム電池など、新しい電気製品の登場に伴い製造装置も変化への追従が求められます。

世の中の最先端技術を支えている点を誇りに感じることができます。

また、製造設備・部品に求められるニーズも数年おきに変化することから、常に新しいことにチャレンジできることも実務上のやりがいとなります。

 

◆ 技術者の革新 (スマホ、電気自動車、半導体) → 生産設備、材料が変わる → FA機器の更新が必要 → 更新需要が継続 →  成長産業
世の中の技術動向を常にウォッチしトレンドを掴み 伸びる産業を見極めて競合他社より如何に早く投資できるよう社内の技術者を動かせるかがFAメーカー営業の腕の見せ所になります。

FA業界の辛いところ

FA業界の辛いところは何といっても調整業務です。
メーカー全般に言えることですが、FA関連の企業は多くの部門で構成されており調整業務が必然と多くなります。
  1. 半導体不足に伴う納期遅延の謝罪
  2. 開発工数不足で顧客要求に応じれない
  3. 製造不具合により顧客に謝罪
  4. 開発が遅すぎて顧客ニーズが変わり無駄になる

 

メーカー営業の仕事

FA営業の年収

20~30代前半であれば、収入は年間500-700万程度です。
30代後半の管理職から800~900万円
40代の課長職以上になると1000万円の年収になります。
メーカーは従業員数が多いので、例え大企業であっても一人一人の給与を高くすることが難しいです。
なお、FA業界の中でもセンサーを中心としたFA機器メーカーのキーエンスと一部の半導体装置メーカーに限っては例外的に1000万円以上の高収入です。
メーカーの福利厚生は充実しています。
  • 家賃補助
  • 扶養補助
  • 交通費補助

詳しくは以下の記事で解説しています。

FAメーカー営業の志望動機例

FA関連企業の面接官に響く志望動機の例文を紹介します。

ソリューション提案が得意

昨今のFA業界では、開発した既製品を売るだけの商売ではありません。

複数の製品を組み合わせて顧客の抱える課題を解決するためのソリューション提案が必要です。

ソリューション提案をするためには、顧客の真の課題と自社製品の双方を正しく理解する必要があります。

特に顧客自身すら気づくことができていない課題の本質を引き出す質問力とコミュニケーション能力が求められます。

このようなスキルと経験をPRすることができると、面接官の心に響きます。

多数の部門を纏められる

FA業界に限った話ではないですが、メーカーは多くの部門から構成されているため、他部門を巻き込みながら仕事をできる人が活躍します。

自部門のことばかりを考えて保守的な仕事をする人を採用したくないと企業側は考えます。

新しい分野へのチャレンジ精神

異業種転職をする方は必ず新しいことを積極的に学ぶ考えがあることをPRするべきです。

なぜかと言うと、仮に貴方が自分のスキルと経験に強い自信があり、新しい仕事のやり方を学ぶ意思がないと想定外の職場環境だった場合に直ぐに退職してしまうことを企業側は恐れているからです。

FA関連企業の採用面接における志望動機と自己PRでの差別化方法は以下の記事に記載していますので、ご参考ください。
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