メーカーには福利厚生が多いので、額面の給与だけでは正しい年収が分かりません。
貴方が他の情報サイトのメーカー年収を見て「意外と低いな」と思われたのはそのためです。
本記事では複数のメーカーで勤務経験のある筆者が福利厚生を含めたメーカーの年収の実態を紹介します。
メーカーの平均年収
福利厚生を除く給与年収だけで見てもメーカーの給与は他業種に比べて高い位置づけにあります。
このデータは中小企業~大企業、総合職・一般職を総合した平均のため、あくまで業界全体の傾向を示した数字です。
例えば、大企業の総合職だけを切り出して見た場合、金融・総合商社・ITの給与がメーカーのそれを遥かに上回るでしょう。
以下はメーカーの年収分布です。800百万円を超えるのは管理職になります。
【出展】業種別に見る日本の平均年収(平均年収ランキング最新版) |転職ならdoda(デューダ)
企業規模・年齢別に総合職の平均年収を切り出した場合、筆者のイメージは以下です。
中小メーカーと大手メーカーの違いはボーナスに顕著に現れます。
大手メーカーであれば入社2~3年目でも年間ボーナスが80~100万円あります。
これが30代前半になると200万円/年にまで昇給します。
企業規模 | 年代 | 年収(万円) |
中小メーカー | 20代前半 | 300-400 |
20代後半 | 400-500 | |
30代前半 | 500-600 | |
30代後半 | 600-700 | |
大手メーカー | 20代前半 | 400-500 |
20代後半 | 500-600 | |
30代前半 | 600-700 | |
30代後半 | 700-800 |
大企業メーカーの福利厚生
大手電機メーカー、大手完成車メーカーで勤務した筆者の福利厚生を紹介します。
2社共に内訳の差異はあれど総合的な金額は同等でしたので、大手メーカーの福利厚生額として十分参考になると思います。
独身寮
殆どのメーカーが新入社員・独身の方向けに独身寮を設けています。
光熱費込みで2~3万円/月で住むことができるので非常に安いです。
大昔は二人で一つの部屋が一般的でしたが、現在では殆どの企業が一人部屋の独身寮を用意しています。
但し、大浴場・トイレは共用であることが多いです。
食堂があるので、朝と夜は寮で食事をとることができます。社員間のコミュニケーションの場としても有り難いです。
転職者であっても独身であれば勿論住むことができます。
社宅・家賃補助
結婚をすると独身寮に住むことが出来なくなります。
しかし代わりに社宅の提供をしている企業が多いです。
社宅は家族で住むことができ、2LDK/3LDKでの部屋であっても会社が家賃の一部を負担するので大体3~5万円の自己負担となります。
借上げの社宅の場合は自分で不動産経由で賃貸マンションを探し、そのうちの5~8割の家賃を会社が負担する形になります。
【借上げの社宅】
会社が定めた家賃の範囲で賃貸を探し会社が契約。社員は一部家賃を負担する形で給与天引き
【家賃補助】
5~7万の家賃補助を現金で支給し、差額を従業員が自分で負担
借上げの社宅の場合は税金の支払い額に影響しませんが、家賃補助の場合は給与支給されるので、一部は税金で差し引かれる形となります。
交通費補助
電車・バス通勤なら実費、車通勤ならガソリン代を会社が負担します。
事情により新幹線通勤が必要な従業員には新幹線定期券代を支給するケースもあります。
例えば、会社都合による転勤で新幹線での通勤の必要に迫られた場合などです。
扶養補助
配偶者・子供の扶養補助として一人当たり約1万円/月の補助が支給されます。
扶養対象の家族全員分の健康保険証も支給されます。
企業団体保険
医療保険、生命保険、自動車保険は必ず企業の団体保険を活用すべきです。
個人で契約するより安いです。
企業団体保険とは、会社がスケールメリットを用いて保険会社との契約単価を下げて貰っている保険です。
家族も一緒に契約できるので、かなりメリットがあります。
労働組合保険
企業労働組合に入会すると毎月組合費を給与天引きで支払うことになります。
この組合費は例えば、組員が病気や事故で働けなくなった場合の支援金などに使われることになります。
年功序列の給料
メーカーの給与体系は年功序列です。
仕事の成果で昇進・給与に影響があるのは早くても30代後半からです。
20代―30代前半は給与・役職共に横並びです。
仮に仕事で成果を出せなくても給与が下がることはなく、年々徐々に昇給していきます。
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