メーカ営業女子が増加している理由

メーカー営業になる女性社員が増えている理由を現役メーカー社員が解説

メーカ営業女子が増加している理由

ファッションや化粧品、食品などの消費財産業では、女性の消費者ニーズを理解しやすいため、女性営業職員の比率が高いことはご存じのことかと思います。
近年では、電気電子・化学素材・機械部品などの男性主導イメージが強かったメーカーにおいても女性比率が増えてきています。
メーカーにおける女性比率が増えている一番の理由は男女が平等に働ける労働環境が整備されてきたためです。
本記事ではBtoCとBtoBのメーカー2社で大勢のメーカー女子と共に働いてきた筆者がメーカー女子が増加し活躍している背景を解説します。

製造業やメーカーにおいて男性が主導的な地位を占めることが一般的である印象をお持ちかと思います。

日本大学の理系学部の大半は男性であることからも明らかでしょう。

何故だかご存じでしょうか?

実は日本の歴史的な社会的構造やジェンダーの役割分担による背景があります。

昔は、男性が工場や生産現場での労働者として働くことが一般的でしたので、製造業における管理職や技術者などのポジションも男性中心だったことが要因です。

しかし、近年では多くのメーカーがジェンダーの多様性を尊重し、女性の参画を促進する取り組みを行っています。

女性が製造業における様々なポジションに進出し、活躍する例も増えています。これには以下のような要因が影響しています:

  1. 多様性と包括性の重視: 現代の企業は、多様性と包括性を重視し、女性や他の少数派の社員の参画を積極的に推進しています。企業が女性の才能や能力を活かし、職場の多様性を高めることで、イノベーションや生産性の向上を図ろうとする動きがあります。
  2. 女性の教育水準の向上: 近年では女性の教育水準が向上し、STEM分野(科学・技術・工学・数学)への進学者も増えています。これにより、技術や専門知識を持つ女性が製造業に進出し、リーダーシップや管理職のポジションを目指すケースが増えています。
  3. ワークライフバランスの重視: 製造業でも、ワークライフバランスや柔軟な労働環境を提供する企業が増えています。女性が家庭と仕事の両立を図りやすい環境が整備されることで、女性の製造業への参画が促進されています。
  4. 労働力不足への対応: 製造業では労働力不足が深刻化しており、人材確保のために女性や他の少数派の労働力を積極的に活用しようとする動きがあります。女性の製造業への参画は、これらの人材確保の取り組みの一環として注目されています。

 

女性のメーカー志望動機

前述の背景により女性の製造業における活躍チャンスが急拡大しています。

この環境変化を踏まえ、多くの女性が以下の考えをもってメーカーへの就職・転職を行っています。

  1. 挑戦と成長: メーカーの営業職は、新規顧客の獲得や売上目標の達成など、常に新しいチャレンジが待ち受けています。女性が自己成長やスキルアップを目指し、挑戦的な環境で働きたいと考える場合、営業職はそのニーズに応えることができます。
  2. コミュニケーションと人間関係: 営業職は顧客とのコミュニケーションが中心となるため、人間関係を築く機会が豊富です。女性がコミュニケーション能力や人間関係構築を活かし、顧客との信頼関係を築きながら仕事をしたいと考える場合、営業職はそのニーズに合致します。
  3. 製品やサービスへの情熱: メーカーの営業職では、自社製品やサービスを顧客に提案し、売り込むことが求められます。女性が自身の興味や情熱を持って提案できる製品やサービスに携わりたいと考える場合、営業職はそのニーズを満たすことができます。
  4. 経済的な自立: 営業職は成果主義が強いため、目標達成に応じて給与やインセンティブが支給されることがあります。女性が経済的な自立やキャリアアップを目指し、自身の成果が直接給与に反映される環境で働きたいと考える場合、営業職は魅力的な選択肢となるでしょう。
  5. 多様性と平等への貢献: 女性がメーカーの営業職に進出することで、職場の多様性や平等を推進し、女性の活躍を後押しすることができます。女性が自身のキャリアや能力を発揮し、職場の多様性を高めることで、社会にポジティブな影響を与えることができると考える場合、営業職への志望動機となるでしょう。

メーカーの女性社員比率

過去数十年で女性がビジネスの世界に進出する機会が増え、女性が営業職に従事する割合は増加傾向にあります。
実はメーカー(製造業)における女性比率は20%を超えています。
従業員の5人に1一人は女性ということになります。営業職に絞ってみれば更に比率が高くなります。
参考までに、日本の主要メーカーにおける女性比率の一例は以下です。
  • 資生堂グループ:80%
  • 味の素:30%
  • パナソニックグループ:20%

女性管理職は年々急増

日本政府は、女性の活躍推進や女性管理職の増加を目指して様々な取り組みを行っています。その中でも、特に注目される取り組みの一つが「女性管理職30%目標」です。

この目標は、2015年に政府が掲げたもので、2020年までに上場企業の管理職に女性が30%以上占めることを目指すものでした。しかし、2020年の時点で目標達成が見込めないことが明らかとなり、現在も目標への取り組みが継続されています。

メーカーの管理職における女性の採用率でみると5%以下とまだまだ低いですが、日本政府が2030年までに30%以上にする方針をだしてることから、今後女性の管理職比率は間違いなく増加していきます。

貴方が管理職になりたくない場合でも無関係ではありません。

この方針が意味することは、「女性が男性と同様に働き昇進することができる=労働環境における男女間の差別がない」ということ、つまり労働環境の公平性を目指すことだからです。

2023年6月13日に、政府によって「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023」(女性版骨太の方針2023)が決定されました。この方針により、プライム市場上場企業において、女性役員比率を30%以上にするようにと、目標が定められています。

政府が「2030年までに女性役員比率30%以上」の方針を決定!働きかたはどう変わる!?(ファイナンシャルフィールド) – Yahoo!ニュース

 

女性が多いメーカー業種

メーカーと一言で言っても多くの業種があるので、「どこの業種が女性が多くて働きやすいのだろう?」と疑問に思っているかもしれません。
当然ですが、化粧品の資生堂、日用品の花王などの会社における女性比率は機械メーカーなどのメーカー業種に比べて高くなります。
技術職においても大学で化学系の選考を選ぶ人が多いので、化学メーカーの女性比率は高くなる傾向になります。
しかし、筆者の経験上、メーカー業界における女性比率の大きさと働きやすさには殆ど因果関係はないと思います。

人数が少ないからといってないがしろにしているわけではないからです。

女性が多いとされるメーカー業種には、以下のようなものがあります:

  1. 化粧品・美容製品業界: 化粧品や美容製品を製造する業界では、女性が多く従事しています。特に製品開発やマーケティング、販売などの分野で女性が活躍しています。
  2. ファッション・アパレル業界: ファッションブランドやアパレルメーカーでは、デザイン、生産管理、販売などの職種で女性が多く働いています。特にデザインや販売は女性のセンスや感性が重視されるため、女性比率が高い傾向があります。
  3. 食品・飲料業界: 食品や飲料を製造する業界でも、女性が多く働いています。品質管理や製品開発、販売促進などの分野で女性が活躍しています。特に菓子やスイーツ、調味料など女性が関心を持ちやすい製品に携わる場合が多いです。
  4. 家庭用品・生活雑貨業界: 家庭用品や生活雑貨を製造する業界でも、女性が多く働いています。家庭用品のデザインや開発、販売促進などの職種で女性が活躍しています。
  5. 健康・医療機器業界: 健康や医療機器を製造する業界でも、女性が多く働いています。特に医療機器の設計や製造、販売、医療機関への営業などの分野で女性が活躍しています。

これらの業界では、女性の感性や視点が重要視される製品やサービスが多く、女性が活躍しやすい環境が整っていることが特徴です。

男女平等に仕事ができる

女性だからと甘く見られないか? 不平等な扱いを受けないか?
このような心配をしている人もいると思います。
男女平等が実現され、働く人々が公正かつ平等な条件で活躍することができる環境は以下が整っています。
  1. 機会均等: 職場では、男性と女性が同じような仕事やキャリアの機会を平等に提供されます。雇用や昇進、プロジェクトへの参加などにおいて、性別による差別や偏見がないように努められます。
  2. 報酬の平等: 同じ仕事をする男性と女性は同じ給与や報酬を受け取ります。職務内容や経験に基づいて報酬が決定され、性別による差別が排除されます。
  3. 評価と昇進の公正: 職場では、男性と女性が同じ基準で評価され、昇進の機会が平等に提供されます。人事評価や昇進の選考プロセスは透明性があり、性別やその他の個人属性による偏見が排除されます。
  4. ワークライフバランスの支援: 職場では、男性と女性が仕事と家庭生活を調和させるための支援が提供されます。育児休暇や介護休暇、柔軟な勤務時間、リモートワークなど、働く人々が仕事とプライベートを両立しやすい環境が整えられます。
  5. セクシャルハラスメントの防止: 職場では、セクシャルハラスメントやジェンダーに基づく差別行為が許容されず、厳格に取り締まられます。職場環境が安全で健全なものであることが保障されます。
私がメーカー2社で十数年勤務した経験上、女性社員が不当に扱われているという不満を聞いたことはないです。
しかし、長時間労働をする社員・飲み会に多く出席する社員が評価される古い慣習がある企業は女性に向かないと感じています。
口コミサイトなどで社内の実態を詳しく確認してから応募企業を選ぶことをお勧めします。

法人営業の飲み会は頻繁

BtoBメーカーで法人営業をする場合は飲み会が多いです。

少なくとも週1回は以下のいずれかの飲み会があると思って下さい。

  • 取引先の接待
  • 関係会社との懇親会
  • 社内の飲み会
しかし、お酒を飲むこと自体は強制されませんのでその場にいて茶坊主と愛想のある会話ができれば問題ありません。
これは男性・女性だろうが関係ありません。男性であってもお酒を飲めないメーカー営業は沢山いますので安心してください。
会社の飲み会

セクハラには厳しい

女性比率が増えてきているとはいえ男性が多いのでセクハラが心配だと思います。
メーカーに限った話ではないですが、セクハラはレッドカードで一発退場の時代です。
仮にお酒に酔っての過ちだとしても、セクハラ発言・行為をを会社に訴えられた場合、管理職であろうが一度で懲戒処分になります。
従い、女性社員がお酒の場にいる際には周囲の男性社員はかなり注意を払います。
ただ、それでも女性が同席しているにもかかわらずセクハラまがいの会話にはなってしまうことがあります。
貴方に向けられた会話でなくても不快に思うことがあるかもしれません。
この点は、日本社会がまだまだ改善すべき点であると筆者は感じています。

女性社員の疑問

 

家庭との両立が容易

メーカー業界において育休・産休を取得して復帰することは一般的です。

結婚・出産をするから退社をするという女性社員の方が珍しいです。

男性の育休取得も急増しています。

筆者の会社では直近2年以内に子供が生まれた社員の殆どが2~6カ月の育休を取得しています。

メーカー営業の仕事はフレックス勤務・在宅勤務も可能なので子育てなどの家庭との両立もし易いです。

また、企業によっては社外の配偶者が転勤で引越しが必要になった際に数年間休職して復帰できる制度がある企業もあります。

社内結婚する人も多い

余談ですが、メーカーの女性では社内結婚の確率が非常に高いです。

「結婚相手は社外で見つける」と決め込んでいる人と「学生時代からの恋人がいる」という人を除けば筆者の会社では過半数の女性社員が社内で結婚しています。

【恋人は職場で作る】職場恋愛・結婚のメリットとデメリットから実現方法まで | TERAO|メーカー営業への転職 (terao-business-blog.com)

採用面接におけるコツ

メーカー女子になる上での企業採用面接においては以下の2点に留意すると良いです。

結婚・出産後も働く意向がある

女性社員を採用する上での採用担当者の一番の心配事は「せっかく採用したとしても直ぐに辞めてしまわないか」です。
「御社の女性社員は結婚・出産後も長く働かれている方が多いと伺っており、この点を魅力的に感じていました」などと言及すると貴方が長く働くつもりがある事が伝わります。

「女性ならではの視点で~」は響かない

男性社員比率が多い企業への面接で「女性ならではの~の視点を生かして活躍したいと思います」とPRする方がいますが、浅はかだと思われるだけなのでやめた方が良いです。
そのようなことは実際ないですし、現役社員は「いったい何のこと?」と思うだけだからです。

働きやすいメーカーの探し方

女性が働きやすいメーカーであるかを見極める指標の一つとしては女性管理職の比率があります。

日本政府の方針により企業は女性管理職の登用比率を後悔する義務があります。

管理職の比率が高いことが必ずしも女性が働きやすい環境だと言い切れるわけではありません。

しかし、一つの大きな判断基準にはなるでしょう。

より確実な方法は、転職エージェントに相談することです。

転職エージェントは無数に存在していますので、どの会社を選べば良いか悩むと思います。

私は転職の時に5つほどの転職エージェントに登録していました。

この経験から、コンサルタントからメーカー営業への転職はdodaをお勧めしています。

  1. エージェント面談の要否を選択できる(登録するだけで求人の閲覧が可能)
  2. メーカーの求人数が多く網羅的
  3. 女性のエージェントが大勢いる

 

メーカ営業女子が増加している理由
最新情報をチェックしよう!