欧米では同じ業界でステップアップ転職をするのが一般的です。
しかし、日本では異業種に転職をして人生を変えたいと思う人が沢山います。
メーカーで働くサラリーマンの中にも全く違う業界に転職をしたいと考えた人は少なくありません。
この記事を開いて頂いた貴方もその一人ではないでしょうか?
本記事を読めば、メーカー社員の転職先の様々なパターンが分かります。
メーカーから他業種に転職
メーカー 営業から、商社・金融・コンサル・外資ITなどのメーカー以外の業種転職することは可能です。
BtoBのメーカーであればBtoBの企業に、BtoCのメーカーであればBtoCの企業に転職できるのが基本です。
BtoBからBtoCに、BtoCからBtoBに転職することも可能ではありますが、ハードルは高くなります。
何故なら働き方が大きく異なるため、即戦力として採用したい企業側からは避けられてしまうからです。
- メーカーから商社に転職
- メーカーから金融に転職
- メーカーからコンサルに転職
- メーカーから外資ITに転職
メーカーから商社に転職
メーカーから金融に転職
営業職でメーカーから金融に転職する人は少ないです。
無形商材である金融に興味を持つ人が有形商材を扱うメーカーにそもそも入社していないためです。
また、金融業界の企業側としても未経験のメーカー営業をわざわざ中途採用しなければならないほど不人気ではありません。
どうしても金融知識を使いたければ、転職ではなく副業などで活用する方が良いかもしれません。
実際、メーカー社員は副業で株・FXを行っている人が非常に多いです。
ワークライフバランスが取りやすいため副業をする時間の捻出ができることも背景にあります。
なお、メーカーであっても経理・会計の職種の人であれば銀行・証券会社などの金融業界に転職する人はいます。
その場合、簿記・公認会計士の資格を持っていると有利に転職ができます。
更に、海外駐在経験がある経理職の人は非常に重宝されます。
営業職と違って駐在意欲のある社員が少ないからです。
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メーカーからコンサルに転職
コンサルに転職するメーカー営業は多いです。
貴方の同僚にもコンサルに転職した人がいるのではないでしょうか?
特にメーカーを顧客とするITコンサルへの転職者が近年増えています。
アクセンチュア・アビーム・PWGなどのコンサル会社が採用数を増やしていることが背景にあります。
- 組織内の調整業務にウンザリした人
- 年功序列の評価では無く成果主義に憧れる
- リモートワーク中心にしたい
メーカーから外資ITに転職
他のメーカーに転職する
同じメーカーであれば異業種に転職するより他のメーカーに転職する方が遥かに採用されるチャンスが増えます。
一言でメーカーといっても日本には非常に多くの商品を提供しているメーカーがあるので自分の業種の人がどこに転職しているのかを把握することが重要です。
原則として、転職したい人がどこの業界・企業に行きたいかではなく、採用する企業側の視点でどのような業界・職種で経験・知識を培った人が雇われるのか、という観点が重要です。
BtoBであればBtoBの企業に、BtoCであればBtoCの企業の方が転職がし易いでしょう。
理由は、働き方が似ているので企業としても即戦力だと判断し、応募する転職者自身にとっても自分の経験・知識を発揮して活躍できるからです。
完全同じ業界に転職する方がマッチングとしては最も適していますが、以下の理由により日本では全く同じ業界への転職は少ない傾向にあります。
- ライバル会社に転職することを後ろめたく感じる
- 他の業界・職種に転職して人生を大きく変えたい
これは殆どの業界で同じ傾向があります。
但し、コンサル・外資系・ITなどは例外です。
ここからは、メーカー業種別の転職先について紹介をしていきます。
化学メーカーから転職
化学メーカーは半導体・機械部品などの同じBtoBの素材・部品メーカーに転職する人が多いです。
海外営業のスキル、法人営業の経験、プロジェクト推進の経験をPRすると良いです。
また、化学製品の専門知識を活かして、コンサルティング企業でクライアントに対して戦略的なアドバイスやソリューションを提供する仕事もあります。
- 半導体・電子部品業界: 東京エレクトロン、ソニー、京セラ、日本電産、TDK、アルプス電気、村田製作所
- 機械部品業界:安川電機、三菱電機、富士電機、東芝、パナソニック
- 化学関連のコンサルティング: アイミツ・ベイン
鉄鋼メーカーから転職
エネルギー・化学メーカなどの同じ素材メーカー、電機電子・機械部品などの同じ製造業向けのBtoB商材メーカーへの転職が多いです。
かなり幅広い業界・企業への転職実績があります。
- エネルギー産業: 三菱重工、中部電力、東京電力、関西電力、ENEOS、住友化学、九電工
- 化学・素材:AGC、旭化成、三菱ケミカルG、住友化学、富士フィルム
- 資源・鉱業:INPEX、石油資源開発、日鉄鉱業、K&OエナジーG
- 電機電子・機械部品:東京エレクトロン、日立製作所、ソニー、パナソニック、三菱電機、富士通、東芝
完成車メーカーから転職
完成車メーカーから完成車メーカーに転職する人は一定数います。
特に「ダイハツ・三菱自動車・日産・スズキ」から「トヨタ」・「ホンダ」に転職するケースが多いです。
「給与アップ」・「社風に惹かれた」という転職理由が大半です。
他の業種への転職先としては、海外営業の仕事をしていた人の場合は商船系の企業に転職することが多いです。
完成車メーカーはメーカーの中でも給与が高い業種であるため、給与を下げて他のメーカーに転職する人はいません。
自動車部品メーカーから転職
自動車部品メーカーから完成車メーカーに転職する人が多いのでは?と思うかもしれませんが実は殆どいません。
何故なら、部品の商売はBtoBですが、完成車はBtoCになるためマーケティングと営業活動の手法が全く異なります。
従い、部品メーカーでの経験・スキルでは完成車メーカーでは即戦力にはならないとみなされてしまいます。
自動車の構造知識があるだけでは不十分なのです。
自動車部品メーカーからの転職先としては、完成車・中古車のディーラーと他業種の機械部品メーカーが多いです。
電機メーカーから転職
ソニー、日立、東芝、パナソニック、三菱電機などの電機メーカーは多くの事業を抱えています。
それぞれの事業本部が中小企業ほどの規模があり、事業部が異なれば他社同然に仕事が全く異なります。
そのため、事業本部ごとに転職先の傾向が違うということ理解してください。
例えば、重電3社と呼ばれる日立、東芝、三菱電機は電力・交通などの社会インフラ事業と家電事業の双方を有しています。
インフラ事業に属しているのであれば、インフラ系の会社に転職ができますが家電の仕事に転職することは困難です。
また、近年ではコンサルに転職する電機メーカー営業が多いです。
コンサルの顧客として電機が重要であることが背景にあります。
- 自動車産業: トヨタ、ホンダ、日産、三菱自動車、ダイハツ、スズキ
- IT関連業界: アマゾンジャパン、ソフトバンク、楽天
- 医療機器メーカー:家電メーカー:キャノン、アイリスオーヤマ
- 産業機械メーカー: キーエンス、安川電機、富士電機
- コンサル:アビーム、アクセンチュア、PWG
半導体業界から転職
半導体業界の給与はメーカーの中で最も高いため、半導体営業が他業界のメーカーに転職するケースは稀です。
そのため、同等以上の収入となるIT・コンサル系の会社に転職する人が多いです。
また、半導体の知識を活かして半導体製造装置メーカーに転職する人もいます。
- IT関連企業:アマゾンジャパン、アマゾンジャパン、ソフトバンク、楽天
- コンサル:アビーム、アクセンチュア、PWG
- 半導体製造装置メーカー:東京エレクトロン、荏原製作所、平田機械、KOKUSAI
食品製造業から転職
食品メーカーからの転職先はやはり同じ食品業界の他メーカーが多いです。
一方で、他業種への転職としては食品製品の流通に関わる物流企業に転職する人もいます。
食品メーカーの営業をしていると物流・商流に詳しくなるからです。
また、食品メーカーで広告業務に携わっていた人はマーケティング・広告業界に転職する人も大勢います。
- 流通業界:アサヒロジスティクス、アスロード物流、アベエキスプレス、石井商事運輸、稲吉運輸倉庫、井ノ瀬運送、エヌエヌ商事
- マーケティング・広告業界:サイバーエージェント、ADKマーケティング・ソリューションズ、マーキュリー
大手メーカーから転職難しい?
大手メーカーでは社内でしか通用しないスキルばかりで転職が難しい?という質問をいただきます。
確かに、大手企業で働く社員はその企業でしか役に立たない知識と能力ばかり習得してしまう傾向にあります。
そのため、大手企業で働いているからと自分が優秀であると誤認し、自信をもって転職をしたものの通用せずに直ぐ辞めてしまう人は少なくありません。
また、職務経歴書に自分の実績と強みを言語化して記載しようとした際に、他社の人事に説明できる内容が出てこずに思考停止してしまう人が殆どです。
そのため、自分の強みをポータブルスキル(他社でも使える汎用的なスキル)として言い換えて表現することが重要です。
ポータブルスキルとは、異なる職種や業界で転職する際に役立つ汎用的なスキルです。
以下は、ポータブルスキルの一般的な例です:
- コミュニケーションスキル:
- 言語能力
- プレゼンテーションスキル
- レポート作成能力
- チームワーク
- 問題解決スキル:
- 論理的思考
- 判断力
- 問題解決能力
- クリティカルシンキング
- プロジェクト管理スキル:
- プロジェクト計画
- タスク管理
- デッドライン遵守
- リーダーシップ
- 組織力:
- 計画立案
- 優先順位付け
- 調整力
- 多くの情報の管理
- 人間関係構築:
- ネットワーキング
- 協力関係の構築
- 対人スキル
- カスタマーサービス
- 分析力:
- データ分析
- 統計的分析
- 問題特定と分析
- 経済分析
- ITスキル:
- マイクロソフトオフィススキル
- デジタルコミュニケーション
- データベース管理
- 基本的なプログラミング
- クリエイティブスキル:
- 問題発見と解決
- アイディアの創出
- デザイン思考
- 創造性
- 適応力:
- 新しい環境への適応
- 変化への対応
- 柔軟性
- 学習意欲
- リーダーシップ:
- チームリーダーシップ
- プロジェクトリーダーシップ
- 問題解決でのリーダーシップ
- メンターシップ
これらのスキルは、業界や職種を問わず、様々な仕事で活かすことができます。
転職活動をする際に、これらのポータブルスキルを自分の実績と強みに取り入れ、アピールポイントとして強調することが重要です。
そのためには、普段仕事をする上でポータブルスキルの向上に寄与しているか否かを意識しながら働くと良いです。
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メーカー社員の転職はエージェントに登録して求人を検索することがお勧めです。
何故なら、多くの企業は自社のHPに求人を掲載せず転職エージェント経由で応募者を募っているからです。
このような求人は一般的に非公開求人と言われています。
求人情報には応募対象者の条件が以下のように記載されています。
【必須条件】○○のスキル、経験があること。◇◇の商品に興味関心があること。
【歓迎条件】△△の資格がある方を歓迎
求人情報を見ることで、貴方が応募した場合に書類選考に通過する可能性があるか否かが分かります。
この求人情報は転職エージェントのサイト経由でしか入手できないケースが多々ありますので、ご注意ください。
しかし、転職仲介会社は無数に存在していますので、どれを選ぶべきか迷うと思います。
私自身が転職活動をした際には5つの転職エージェントに登録していました。
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