ルート営業

メーカーのルート営業とは|食品 / 化粧品 / ビール / 機械部品メーカー

ルート営業
ルート営業は決まった顧客がいて飛込営業が無いため楽そうなイメージを持っている人が多いと思います。
しかしルート営業だからこその苦労が沢山あります。

本記事ではルート営業への転職を検討している方が後悔しないで転職ができるようにルート営業の長所と短所を紹介します。

 

ルート営業とは

ルート営業は、商品やサービスを顧客に直接販売する営業活動の一形態です。

通常、特定の地域やルートを担当し、その地域内の顧客や店舗を訪問して商品を販売したり、サービスを提供したりすることが主な仕事内容です。

以下に、ルート営業の仕事内容や特徴を示します:

 

  1. 顧客訪問: ルート営業担当者は、自分の担当地域内の顧客や店舗を定期的に訪問します。これにより、顧客との信頼関係を築き、定期的な注文やサービス提供の機会を確保します。
  2. 商品販売: ルート営業担当者は、商品やサービスを顧客に販売します。これには、新商品の紹介やキャンペーンの実施、価格交渉などが含まれます。
  3. 在庫管理: ルート営業担当者は、自分の担当地域内の在庫を管理し、必要な商品を持参して顧客に提供します。在庫の適切な管理が顧客満足度や売り上げ向上につながります。
  4. 顧客サポート: ルート営業担当者は、顧客からの問い合わせやクレームに対応し、迅速かつ適切な解決策を提供します。日常的に顧客の困りごとをヒアリングし、社内関係部門と連携をして顧客の満足度を最大化します。
  5. 営業報告: ルート営業担当者は、訪問した顧客や店舗、販売実績などの情報を営業報告システムに入力し、上司や社内部門と情報共有を行います。開発・生産担当者はルート営業の情報を参考に計画を立てることが一般的です。
  6. 商流の管理:メーカーは地域毎に代理店・販売店を契約しています。自社の商流内で競合にならないよう管理することもルート営業の仕事です。

 

ルート営業は飛び込み営業のような不特定の顧客と日々やり取りすることはなく、決まった相手と仕事をします。

しかし、一人のルート営業が担当する商社(代理店・販売店)と顧客は非常に多いです。

そのため、業務管理能力と高いコミュニケーション能力が求められます。

メーカーの商流

この図に示す通り商社とメーカーは営業の仕事は密接である事から、商社からメーカー営業に転職する人も珍しくありません。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

【需要増】商社からメーカーへ転職して活躍できる理由と留意事項 | TERAO|メーカー営業転職 (terao-business-blog.com)

 

ルート営業がある業界

ほとんどのメーカーはルート営業と直販営業の二つの手法を用いています。
各業界のメーカーによって営業対象の顧客は異なります。

以下は各業種におけるルート営業の一例です:

  1. 産業機械・機器業界: 機械製造業や工作機械メーカー、産業用ロボットメーカーなどがルート営業を行います。ルート営業担当者は、工場や製造施設を訪問して機械や機器の販売、メンテナンス、アフターサービスを提供します。
  2. 建設資材業界: 建築資材メーカーや建設資材販売業者もルート営業を行います。彼らは建設会社や工務店、建築事務所などを訪問し、建築資材の販売や提案を行います。
  3. 電子部品業界: 電子部品メーカーや電子機器製造業者もルート営業を行います。彼らはエレクトロニクス関連企業やOEM(Original Equipment Manufacturer)を訪問し、電子部品や機器の販売、技術サポートを提供します。
  4. 自動車部品業界: 自動車部品メーカーや自動車関連企業もルート営業を行います。彼らは自動車メーカーや自動車修理工場、自動車販売店などを訪問して部品の販売やサポートを行います。
  5. 医療機器業界: 医療機器メーカーや医療関連企業もルート営業を行います。彼らは病院、診療所、医療機関などを訪問して医療機器の販売や導入支援を行います。
  6. 化粧品・美容業界: 化粧品メーカーや美容商社がルート営業を行います。ルート営業担当者は、美容室やエステサロン、百貨店などの店舗を訪問し、商品の販売やトレーニングを行います。
  7. 食品業界: 飲料メーカーや食品メーカーがルート営業を行います。ルート営業担当者は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、レストラン、カフェなどの店舗を訪問し、商品の販売や新商品のプロモーションを行います。
一概にルート営業と言っても、どの業界で働くかによって全然働き方が異なることのイメージができると思います。
同僚との会話

ルート営業の魅力

メーカーのルート営業に共通する魅力は以下です:

 

  1. 直接顧客と接する機会: ルート営業は、直接顧客やクライアントと対面し、コミュニケーションを図る機会が多いです。この直接の接触により、顧客のニーズや要望を把握しやすく、信頼関係を築くことができます。
  2. 自己管理と自由なスケジュール: ルート営業の仕事は一般的に自己管理が求められるため、自分のスケジュールを柔軟に調整することができます。また、外出が多いため、オフィスに縛られることなく様々な場所を訪れることができます。
  3. 成果が即座に反映される: ルート営業は直接顧客とのやり取りが中心であり、成果がすぐに反映される傾向があります。顧客からの反応や売り上げの増加など、自分の努力が直接的に結果に現れることで、達成感ややりがいを感じることができます。
  4. 新しい場所や人との出会い: ルート営業は様々な場所を訪れるため、新しい人や環境と出会う機会が多いです。これにより、自身の視野が広がり、新たなビジネスチャンスやアイデアを得ることができます。
  5. 対人スキルの向上: ルート営業では、様々な人とのコミュニケーションが求められるため、対人スキルや交渉力、問題解決能力などの向上が期待されます。これらのスキルはビジネスだけでなく、日常生活においても役立つことが多いです。
  6. 飛込営業とノルマがない:保険、ウォーターサーバー、不動産、中古車の営業になると各個人に課された売り上げのノルマがあります。また、購買意欲があるかも分からない一般の顧客に突然営業を行うため冷たい態度を取られることが多く精神的に辛い仕事です。一方、メーカーのルート営業は販売計画を立案し予実管理を行うことをしますが、達成できないからと言って個人が責め立てられることは稀です。また、顔馴染みの顧客とのやり取りが原則ですので、よっぽど嫌な顧客に当たらない限りは飛込営業のような苦痛はありません。
メーカー営業の仕事

ルート営業に必要なスキル

転職が当たり前の時代になった昨今では2回・3回・4回と転職をする人は珍しくありません。

そのため、他社でも通用できるスキルを習得できるかという視点は今後より重要になります。

ルート営業になると以下のスキルを習得することができます。

  • 社外の人と商談をするスキル
  • エリアマーケティングのスキル
  • 販売計画立案・予実管理のスキル

エリアマーケティングとは

ルート営業は全国おなじ仕事ではなありません。
何故なら地域の特性により顧客のニーズと主要な競合が異なるからです。
例えば貴方がビール会社の営業であると仮定します。
北海道エリアと沖縄エリアではルート営業の戦略が異なることが分かりますでしょうか?
北海道ではサッポロビール、沖縄ではオリオンビールのシェアが高いです。
主要な競合他社が異なればシェアを奪うための戦略も異なってきます。
また、気候・飲食店・人々のライフスタイルが異なります。
このようなエリアごとの差異を踏まえてエリアに特化した販売戦略を立案・実行することをエリアマーケティングと呼びます。

メーカーのルート営業の仕事は多くの業界で存在していますので、転職のチャンスは大きいです。

商談の様子

ルート営業のつらいところ

転職をする際には良い情報ばかりに目を向けてはいけません。

かならずどんな仕事にも短所があります。

ルート営業の仕事には当然つらい点があります。

あらかじめ把握したうえで転職を検討することを推奨します。

  1. 常に先方の要望を受け続ける
  2. 先方と社内関係部門の板挟みになる
  3. 商品競争力に依存する

それぞれ詳しく解説しています。

常に先方の要望を受け続ける

ルート営業の仕事は既存の商品取引がある顧客に対する営業なので、既存の取引に対する様々な要求を受け続けます。

新しい商品を売り込む、取引数量を拡大させることだけがルート営業の仕事ではありません。

下記のような要望を常に顧客から受け続けことになります。複数の顧客を担当する場合はかなり忙しくなる人もいます。

  • 値引き要求
  • 短納期発注
  • 取引数量の削減
  • 改良開発要求
  • 様々な情報開示要請
  • その他雑務の要請

食品メーカーはやめとけ!中途採用は異業種転職だと難しい | TERAO|メーカー営業への転職 (terao-business-blog.com)

先方と社内関係部門の板挟み

前述したとおり、ルート営業は顧客から様々な要望を受けることになりますが、必ずしも顧客の要望に応えられるわけではありません。

社内の関係部門と調整をして満額回答とならずとも、折り合いをつける調整が求められることが大半です。

折り合いがつかない場合は顧客と社内との間で板挟みになり、精神的に辛いと感じることがあります。

仕事の板挟みによるストレスに疲れた人に伝えたい3つのこと | TERAO|メーカー営業への転職 (terao-business-blog.com)

商品競争力に依存する

メーカーの営業の仕事は取り扱う自社商品の競争力に大きく左右されます。

売れにくい商品を売るのが営業の存在意義だと言われればそれまでですが、2つのメーカーで10年間営業をしてきた私の経験上、やはり商品力は重要です。

最低限の商品力が無いとそもそも商談のテーブルに上がれないことがあるからです。

ルート営業のステップアップ先として商品企画の仕事に社内異動するケースが多いです。

そのため、まずはルート営業で市場と競合の理解を深め、将来的に自分で商品を企画する部署に移るというキャリアプランを描いても良いかもしれません。

【諦めない】未経験者がメーカーの商品企画職に転職して活躍する方法 | TERAO|メーカー営業への転職 (terao-business-blog.com)

営業のつらい点]

 

ルート営業への転職方法

ルート営業に必要なのはコミュニケーション能力とプロジェクト管理能力です。

職務経歴書における自分の強みをPRする際にはこの2点の協調してください。

更には業界知識があると尚良いですが、仮に異業種からの転職で業界への知識が無くても、転職できる可能性は十分あります。

メーカーのルート営業の志望動機の書き方、自己PRで他の応募者と差別化をする方法は以下の記事にて詳しく記載しています。

メーカー営業の志望動機と自己PRで差別化する方法【現役の大手社員が暴露】

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